「この人、もう辞めてますよね?」
社外の情シスとして会社に入ると、かなりの確率で一度はこの会話になります。退職した人のメールアドレスや、クラウドサービスのアカウントが、使える状態のまま残っている。珍しいことではありません。
誰かがサボっているわけでもなくて、退職の手続きと、アカウントの管理が、別々の人の仕事になっていることがほとんどです。人事は「退職の手続きは終わった」、情シスは「連絡が来ていない」。その間に落ちてしまうんですね。
今日は、これをきれいに片づける方法を書きます。やることは、表を3つ並べるだけです。
なぜ、残っていると困るのか
怖がらせたいわけではないので、短く書きます。
- パスワードが使い回されていると、外部の人に使われることがある
- 辞めた人が、悪気なくログインできてしまう
- ライセンス(利用料)を、使っていない人の分まで払い続けている
最後のひとつは、地味に効きます。棚卸しをすると、だいたいコストも下がります。
棚卸しは、3つの表を並べるだけ
表1:人事の名簿(いま在籍している人)
人事や総務が持っている、最新の社員名簿です。パート・アルバイト、業務委託の方も含めてもらうのがポイントです。
表2:アカウントの一覧
Microsoft 365やGoogle Workspaceの管理画面から、ユーザーの一覧を出力します。CSV(エクセルで開けるファイル)で書き出せます。
できれば、次のようなサービスも並べてみてください。
- 会計・勤怠・給与のシステム
- チャット(SlackやTeams)
- 顧客管理(CRM:お客様の情報をまとめておくシステム)
- ファイル共有サービス
表3:共有アカウントと管理者
ここが一番の盲点です。
- 「info@」のように、複数人で使っているアカウント
- サービスの管理者権限を持っている人
- ドメインやサーバーの契約者(ログインできる人)
辞めた人が管理者のままだった、というケースは本当によくあります。
並べたら、見るのは1点だけ
表1にいないのに、表2・表3にいる人。これだけです。
見つかったら、いきなり削除する前に、ひと呼吸おいてください。
- まずは停止(ログインできない状態)にする
- メールやファイルを引き継ぐ必要がないか、上司に確認する
- 引き継ぎが終わったら削除する
いきなり消すと、大事なメールが一緒に消えてしまうことがあります。停止してから削除。この順番が安全です。
次から、残さないために
一度きれいにしても、半年もすればまた増えます。なので、仕組みにしてしまうのがいちばんです。
- 退職が決まったら、人事から情シスに連絡が届く流れをつくる
- 退職日の当日に止める、と決めておく
- 半年に一度、今日の3つの表をもう一度並べる
特別なツールがなくても、これだけで十分に回ります。
おわりに
アカウントの棚卸しは、地味です。正直、誰もやりたがりません。
でも、やってみると「こんなに残ってたんだ」と驚く会社がほとんどです。そして、終わったあとは、少しすっきりします。年末の大掃除のついでに、一度やってみてください。
手が回らないときは、私たちが代わりに並べます。
気になることや、確認のしかたが分からないことがあれば、お問い合わせや、右下の「よろづ相談窓口」から気軽に声をかけてください。
